思わず応援したくなる、お父さんのような赤帽さん

それは数年前のこと。私がまだういういしい10代の学生だったころのことです。 大学進学と同時に大学の学生課に紹介されたアパートで一人暮らしを始めました。 6畳一間のこじんまりとした間取りに、駅からは徒歩20分という立地の悪さに加えて、 学生専用のアパートなので上下左右の部屋はみな女子大生。 周りにも気の利いたお店もなく、つまらないところでした。 一年もすると、その生活がたまらなく嫌になり、 駅の近くに引越しすることを企てました。 まずは、商店街に並んでいる不動産屋を手当たりしだい回っていったのですが、 おんな子どもなどお金にならない客なんてお断り!となかなか相手にされません。 でも、一件だけちょっとレトロな不動産屋さんが、 わりと親切にいくつか物件を紹介してくれました。 そのなかで、古い古い築30年は経っていようかという「柿ノ木荘」という 昭和チックなアパートが気に入り、大家さんも不動産屋さんと古くからの知り合いのようで、 すぐに話をまとめてくれました。 さて、新学期の始まる4月の上旬までには引越しを完了したいのですが、 なんせ思いつきで引越しを決行しているのに加え、中途半端な数キロという引越し。 大手の引越し屋さんは、かきいれ時の3月末にお金にならない数キロの引越しなんて、 鼻から断られ、かといって車をもっている知り合いなんていないし困りました。 不動産屋さんに相談してみると、 「赤帽さんて、聞いたことある?もしかしたら、やってくれるかも…」 あまり当てにならない返事でしたが、半信半疑でネットで調べてみると、 意外に小回りのきくサービスをしてくれそうです。 さっそく近くの事業所に問い合わせ、「軽トラに積める範囲の荷物なら、だいじょうぶですよ」 との返事。 3月末でも日にちをあわせてくれ、しかも積みいれもしてくれるというので、 お願いすることにしました。 働くおじさんという言葉がぴったりの、ちょっと日に焼けた4~50代の赤帽さんがきてくれて、 口数は少なかったけど、とにかくまじめにやってくれたというのが一番の感想です。 テレビで見るような大手引越し企業のスマートさはなかったけど、 中小企業でがんばるおじさんの姿には、なんだかお父さんと呼びたくなるような、 応援したくなるような背中がありました。 こんな世間知らずの学生のちんまい引越しを、 仕事としてまじめにしてくださったあの日の赤帽さんに感謝です。

赤帽の引越しの担当は謙虚でした

赤帽の小さいトラックを街中で見かけていましたが、 赤帽が引越しをしているとは数年前まで知りませんでした。 引越し業者で身近で比較的安く手伝ってくれる所を探していたら、 それがたまたま赤帽だったということがあります。 その際の引越しですが、赤帽の担当が異常なほどに謙虚で対応が丁寧すぎるほどに丁寧でした。 赤帽はあまり儲かっているような雰囲気ではないですが、 その担当の対応が印象に残るほど丁寧で親切だったので、 ちょうど一緒に居た友人もその後で赤帽を気に入って、自身の引越しを赤帽に頼んでいました。 赤帽は郵便局でもないし、大手の引越しセンターのような大型トラックの所有をしているわけでもないし、 とにかく地味で小柄な小回りの効く運送業者としか感じていなくて、 今まで関わりがなかったので全く実態を知る事が無かったのですが、 引越しを機にその担当者の対応を見て好感が湧くようになりました。 サービス業の評価の仕方は人柄で判断する所もあるので、 赤帽の電話口の対応は覚えていませんが、 担当者の人柄に触れて非常にそれからのイメージアップになっています。 いくら作業が早くてコストが低くても、 サービス業なのでどうしても人柄や接客具合が加味されていくものです。 大手の某引越しはそれなりにコストパフォーマンスが良くても、 その分仕事中の私語や引越し作業中のモノをアチコチぶつけるハプニングが多いという 注意散漫も見受けられている事から、 あながち大手がひとえに良いとは絶対限らないと知っています。

赤帽の引越しで見たプロの技

引越しは今までに2回したことがあります。 1回は、遠方の大学に入学が決まって1人暮らしをすることになったときで、 もう1回は大学を卒業したときです。 その引越しは2回とも赤帽に依頼して行いました。 依頼したのは両親で、私は詳しいことは聞いていなかったのですが、 引越し当日にやってきたのは赤帽の小さなトラックでした。 学生の1人暮らしだから荷物の量は大したことはないだろう、 と思って両親が小さなトラックを頼んだのでしょう。 あるいは、もともと赤帽は少量の荷物の引越しが専門なのかもしれませんが、 私はよく知らないのです。 入学時の引越しはともかくとして、卒業時の引越しのときには、 私はその小さなトラックを見て少々焦りました。 入学時の荷物は必要最低限の物だけだったので、大した量ではありませんでした。 しかし、学生時代に色々なものを買って持ち物はだんだん増え、 卒業時の引越しの荷物はかなりの量になっていました。 勿論、引越し前に片づけをして必要ないものは捨てましたが、 どうしても捨てられず残った物だけでも結構な量でした。 引越しの前々日、手伝いのためにやって来た母は、 その荷物の量を見て「全然片づけてないじゃない」と怒りました。 私としては片づけたつもりだったのですが。 そのくらい荷物が多かったので、小さなトラックを見て「積めるのかな」と思い焦ったのですが、 赤帽の人は特に苦労することもなく、たくさんの荷物を簡単に小さなトラックに積み込みました。 荷台に荷物がパズルのように組み合わされて載せられているのを見て、 さすがにプロだなと感心しました。

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